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CHECK/塗装知識・チェックポイント
塗装における欠陥と対策

【ピンホール】
●発生工程:塗装、乾燥、硬化後
●類語:針穴、ピックスキン

現象
図塗面に針でついたような小穴が生じた状態。

発生原因 対策
■被塗物状態
(1)表面に油、水分が付着している。
(2)素地に小穴がある。
(3)下地に空気が吹き出す小穴がある。
(4)(鋳物など)温度が高すぎる。
(1)油、水分をきれいに拭き取り洗浄する。
(2)パテで穴を埋める。
(3)シーラーを塗布するか、または空焼き、予熱して塗装を行う。
(4)温度を規定まで下げる。
■塗料
(1)粉体:ブロッキングした塗料を使用した。
(2)液体:ゲル化した塗料を使用した。
(1)新しい塗料に変更する。
(2)同上
■塗装機
(1)スプレー用空気中に水、油等が含まれている。
(2)霧化空気圧力が低すぎる。
(1)エアラインのフィルタ、ドライヤーの機能をチェックする。
(2)霧化空気圧力を高くする。
■塗装条件
(1)塗料粘度が高すぎる。
(2)希釈溶剤の溶解力が不足している。
(3)希釈溶剤の沸点が低すぎ乾燥が速い。
(4)塗膜厚が厚すぎる。
(5)塗料にコンタミがある。
(1)指定の溶剤を使用し、かつ粘度調整を行う。
(2)溶解力に強い溶剤を使用する。
(3)高沸点溶剤を混合する。
(4)規定の塗膜厚に下げる。
(5)新しい塗料に変更する。
■乾燥・硬化条件
(1)下塗塗膜の乾燥が不足している。
(2)厚塗りした塗膜を急激に加熱乾燥した。
(3)セッティング時間が短すぎる。
(1)条件に沿った乾燥を行った後、上塗りを行う。
(2)徐々に加熱し、溶剤がある程度蒸発してから本乾燥する。
(3)セッティング時間を長くする。
[備考]
一度できたピンホールは再塗装では解消できない。塗膜を研磨した上で再塗装を行う。
ピンホールが発生しやすい塗料はアミノアルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など。
ピンホールが発生しにくい塗料は油ペイント、カシュー、長油性アルキド樹脂など。


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