1. 帯電防止塗料 |
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プラスチックなどの非導電性物質表面の静電気発生防止や、ほこりの付着防止に使用される。塗料中カーボンブラック、金属などの導電性フィラーを分散させたものと界面活性剤を添加したものがある。 |
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2. 電磁波シールド塗料 |
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導電性塗料の中で最も使用量が多いので、通常、導電性塗料とも呼ばれている。デジタル部分を有する電子機器から発生する雑音電磁波を遮断し、テレビ、ラジオ、コンピュータなどの電波障害を防止するために用いられている。従来電子機器の容器に金属製品が用いられてきたが、近年プラスチックの使用によって、電波障害がクローズアップされ、1986年に自主規制がスタートした。この電磁波シールド塗料には銀、銅、ニッケルなどの金属粉をフィラーとした塗料が用いられている。銅は導電性はよいが酸化されやすいのでニッケルが主流である。しかし銅粉末の表面処理技術が進歩したため銅の使用も伸びつつある。対象とする周波数は150kHz〜1GHz(1,000kHz)であり、競合技術としてメッキ、真空蒸着、金属溶射、スパッタリングなどの表面処理及びフィラー混合による素材自体の導電性化がある。 |
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3. 導電塗料 |
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電子部品の接続や電極、回路の通電部分に用いられ、金、銀粉末などのフィラーを含む金属並の導電性を有する塗料である。塗料というより電子部品の一種と考えられる。 |
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4. 磁性塗料 |
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被塗物に塗布することにより磁性を有する塗膜を形成して、磁気記録材料となる。主な用途は磁気テープと磁気カードである。酸化鉄、コバルト含有酸化鉄バリウムフェライトなどの針状微粒粉をフィラーとして用いる。これらの保磁力を図2.31にしめした。磁気カード用には外部磁界による消磁を防ぐため、高保磁力のバリウムフェライトが用いられる。塗装直後に直流の強磁場を通過させて、磁性体の配向により記録特性を向上させている。 |
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5. 畜光塗料 |
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蛍光塗料は紫外線および可視光線が照射されているときのみ発光するが、畜光塗料は消灯後も鮮明に発光する。無機化合物を畜光剤として用いるが、毒性の問題があり発光色の種類が少ない。 |
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6. 示温塗料 |
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特定の温度で変化するもので、可逆的なものと不可逆的なものがある。被塗物の温度測定、表示、ホビー商品などに用いられている。不可逆的なものは、金属酸化物、塩化物などを用いて40〜400℃のものが市販されている。可逆的なものは、結晶系の転移などによるものであり種類は多くない。40〜170℃で変化するものが市販されている。近年、コレステリック液晶および電子供与性の呈色性有機化合物とフェノール性水酸其を有する化合物が、100℃以下の温度で電子部品などに使用されている。応答速度は非常に良好だが耐熱性、耐候性に問題がある。 |
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7. 光触媒塗料 |
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汚染、脱臭、抗菌等の機能を付与した塗料をいう。光触媒として用いられるのがアナタース形二酸化チタンが多い。 |
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8. 抗菌・防カビ塗料 |
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台所、浴室、地下室、病院、冷蔵倉庫などの高温多湿な場所でのかびの発生を防止する。防かび剤をビニル樹脂、アクリル樹脂に数%入れ調製される。市販されている防かび剤は、約60種あり、これらはかびの胞子には作用せず菌子の成長過程を阻害する。人体に対する安全性も重要であり、LD50が1,000mg以上のものが用いられる。 |
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9.レーザ加工用塗料 |
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レーザ加工といっても巾は広いが、主に照光ボタンの加工に使用されているが、YAGレーザで、波長が1,060 mmのレーザをいう。この加工としては、全面に塗装の施された部分をレーザ光で絵ガラなどエッチングし、マーキングする加工法で、この加工の際使用される塗料を、レーザ加工用塗料と称する。二液アクリルウレタン樹脂系が主流に使用されており、レーザ光に対する、顔料の持つ物性を利用して、行われる。熱加工に用いられる。 |