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紫外線硬化装置(UV装置)の基礎知識

2. UV装置の構成

 UV装置は光源、照射器、冷却装置、電源装置、その他の機器などから構成されており、それらの関係は図1のようになっている。

図1 UV装置の構成
【図1 UV装置の構成】


2-1 光源

 UV装置の心臓ともいうべき光源(以下ランプという)については、第3節でくわしく述べられるので、ここでは現在実用されている代表的なものについてのみ述べる。

(1)空冷形一重管式高圧水銀ランプ
 空冷形一重管式高圧水銀ランプ(以下空冷形水銀ランプという)は、図2に示すような構造のランプであり、石英ガラス製の発光管の中に高純度の水銀(Hg)と少量の希ガスが封入されたもので、現在もっとも多く使用されている。発光管に使用されている石英ガラスには、通常の石英のものと少量の不純物を含ませた石英の2種があり、後者は200nm以下の波長をカットしてオゾンの発生を少なくすることが目的で使用されているが、実際には、300nm以下の紫外線も約13%カットするため、通常の石英を使用したランプにくらべて、約30%硬化能力が低下する。したがって事情の許すかぎり、通常の石英を使用したランプを使用する方が経済的であり、被照射物(以下ワークという)の温度上昇も少なくてすむ。ランプ入力1KW当り1m2/分の強制排気を行った場合、その排出口でのオゾン濃度は通常の石英を使用したランプでも0.05ppm程度である。
 水銀ランプの分光エネルギー分布は図3に示すとおりで、紫外域におけるエネルギー変換効率は約23%である。ランプは下記の範囲で実用化されている。
 ランプ入力 60,80,120,160W/cm
 発光長 50〜2500mm

図2 空冷形ランプの構造

【図2 空冷形ランプの構造】

図3 水銀ランプのエネルギー分布
【図3 水銀ランプのエネルギー分布】
注)点線はオゾンレスタイプ


(2)空冷形一重管式メタルハライドランプ
 空冷形一重管式メタルハライドランプ(以下空冷形メタルハライドランプという)の構造は水銀ランプとまったく同じであり、電気的特性もほぼ同じであるが、発光管の中に封入されている金属が水銀ランプの場合の水銀に加えて、450nm以下の可視光および紫外線を効率よく発生する金属のハロゲン化物を封入したランプで、現在2種のランプが市販されている。
 これらのランプは図4、図5に示すような分光エネルギー分布を有している。メタルハライドランプAはガリウム(Ga)のハロゲン化物を添加したランプで、400〜450nmの範囲にエネルギーが集中しているのが特徴で、エナメル塗料の硬化に有効であると報告されているが、発光長の長いものが製作できないこともあって、UVシステムでの実用例は少ない。
 メタルハライドランプBは鉄(Fe)、銀(Sn)のハロゲン化物を添加したランプで、250nm〜450nmの範囲に連統したエネルギーを有しており、紫外線域でのエネルギー変換効率は、約28%と水銀ランプの約1.2倍である。実用面では、比較的厚い膜(数mm)でも均一に硬化でき、又顔料の含まれた厚い塗膜に対して有効であることが立証され、実用例がふえている。
 メタルハライドランプの前記排気風量でのオゾン濃度は0.02ppm程度である。
 メタルハライドランプBは下記の範囲で実用化されている。
 ランプ入力 60,80,120,160W/cm
 発光長 50〜2500mm


【図4 メタルハライドランプAのエネルギー分布】


【図4 メタルハライドランプBのエネルギー分布】
注)点線はオゾンレスタイプ


(3)水冷形水銀ランプおよびメタルハライドランプ
 これらのランプは(1)、(2)項で述べたランプに、図6に示すような構造で、水フィルターをかぶせたもので、ランプに近接して低温物体があるため、強制空冷をすることなく、ランプを適温に保つことができ、水フィルターによりランプから放射される赤外線がカットされるため、ワークの温度上昇を低くおさえることができる。水冷形ランプではランプ入力の約6割が水によって除去され、ワークの温度上昇は空冷形にくらべて約1/2に減少するため、熱に弱い材料への応用に適しているが、紫外線も水銀ランプの場合約9%、メタルハライドランプの場合約7%カットされるので硬化効率は悪くなる。図7に水冷ジャケットの透過率、図8に温度上昇の1例を示す。 図6 水冷形ランプの構造
【図6 水冷形ランプの構造】

【図7 水冷ジャケットの透過率】


【図8 被照射物の温度上昇例】


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